四国・香川県に位置する直島。
日本を代表する芸術家・草間彌生さんのかぼちゃがお出迎えしてくれます。
フェリーを下船した瞬間から、胸が高鳴り続けるこの島で、安藤忠雄さん設計の「地中美術館」は、誰もが目指す場所だと思います。
景観を損なわないようにと大半が地中に設計されたこの美術館には、クロード・モネやウォルター・デ・マリアなどの作品が展示されています。
しかも、地中なのにアートを照らす光源は、自然光なんです。
全部が見どころのこの美術館で、一番おススメしたい場所は、クロード・モネの「睡蓮」5店が展示されている「クロード・モネ室」です。
白い壁、床、そこに展示された「睡蓮」を照らす光。
ここに入った瞬間、静寂に包まれた空間、感覚が研ぎ澄まされる空間、心が静まる空間、人それぞれ受ける印象は違えど、特別な空気を感じると思います。
計算され作られた建物の中で、自然の美しさと向かい合うとも言えます。
そんな素晴らしい展示室から出る間際、最後の最後に気づき驚いたことは、白い床の正体が、大理石だということです。
靴を脱ぎ入室するこの部屋、目に飛び込む絵画に心を奪われ続けていたものの、足裏にずっと感じていた柔らかい踏み心地、とても気になっていました。
帰り際に確認してみると、モザイクタイルのように小さく加工された大理石が敷き詰められていたことに気づきました。
調べたところ、大理石はイタリア産のビアンコ・カラーラで、角を取った2cm角、70万個が敷き詰められているそうです。
大きなサイズだと荘厳な印象を受ける大理石を、このように使ったことは、展示室を自然に近づけるための工夫だったのかなと思います。
次に向かった先は、まん丸の黒い球体が中央に鎮座するウォルター・デ・マリアの展示室です。
球体以外の作品は金箔を施された棒がありました。
これは木彫らしいのですが、装飾などはなく、とてもシンプルな長方形の棒です。
作品名「タイム/タイムレス/ノー・タイム」は2.2mの「球体」1個と27本の「四角」とてもシンプルな造形ながら、圧倒的な存在感と神々しさを放っています。
階段を上り下りし、見上げたり、見下げたり、色々な角度から鑑賞できるものの、ベストは見上げる構図だと思います。
季節だけでなく、時間帯によって変わる陽の光の角度・翳りを楽しめる地中美術館。
建物そのものがアートの美術館で、やっと一息つける「地中カフェ」でしめくくります。
地中美術館HP https://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
李禹煥煥美術館の記事はこちらから→https://nacao-kao.com/leeufanmuseum-naosima/849/
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